2022年12月18日日曜日

協同企画展『Power of Art from SETOUCHI』展示作品紹介 その4

この記事では、企画展の第2会場となっている玉川文化交流館で展示中の作品についてご紹介していきます✨


●和田文都『scene.t』(アクリル画)
「マンガの形式『コマ割り』、『ネーム』から絵画制作のヒントがあります」と語る和田氏が描く、「シーン」の作品です。
本展では、同タイトルの作品を7点展示中です。

 



宮本詩帆『wallcloth』(油画)
162×162㎝の大きなキャンバスに描かれています。一見すると淡い色彩が水彩画のようですが、油絵具ならではの艶や盛り上がりがあり、画面に変化を与えています。色彩が複雑に重なり響きあって、繊細さと同時に力強さも感じさせる作品です。




●山江真友美『胡乱な日々』(油画)
少女や女性をテーマに描き続ける作者の、やわらかく綻ぶ花のつぼみを思わせる一枚です。油絵具を薄く塗り重ねて描いています。




●大屋努・藤沢稔・坪井優介『たけのこバルーン・イルミネーション』(バルーン)
倉敷市真備地区の2018年豪雨災害からの復興を願い、「まびにあかりを」をテーマに制作。再生の高揚感を表現し、幻想的な光を放っています。

 



●HIME+YOUSilkyMilky』(フィギュア、イラストレーション)
石粉粘土とアクリルガッシュで制作された2体のフィギュアは、イラストそのままの愛らしさです。
HIME+YOU氏の作品は、他21点展示中です。



 
●森迫暁夫『ミドリノリク』(ミクストメディア)
カーテンのように大きな布一面に、どこか愛嬌のある木々や動物が描かれています。思わずもぐり込んでみたくなる作品ですが、お手を触れないようご注意くださいね。




●金廷翰『InnerSpace#1930-InterAction』(アクリル画)
層を重ねる絵画表現の仕組みに着目し、「見た目は極薄のイメージにも関わらず、マスキング技法を使い、層の構造に注目させ」る作品として描かれました。(卒業制作HPより)
他3点も展示中です。




●山下真未+ナカガワヒロカズ『枯散葉 ~甦音彩響~』(プロジェクションマッピング)
葉脈だけ残した枯葉が、音に反応し、かつての命の鮮やかさを取り戻します。




●山下真未+ナカガワヒロカズ『海底賛歌 ~遊音踊~』(プロジェクションマッピング)
音に反応し、可愛い魚たちが泳ぐ海底に波紋が生まれます。
展示室の梁の影を歩くカニにもご注目。




ぜひ会場で、手を叩いたり声を出したりしてお楽しみください☺




倉敷芸術科学大学・今治市大三島美術館・今治市玉川近代美術館 協同企画展「Power of Art from SETOUCHI」

 会期:令和4年11月6日(日)~令和4年12月21日(水)
 会場:玉川近代美術館1F(第一・第二展示室)、玉川文化交流館

※今展は大三島美術館でも展示を行っております。ぜひ両館に足をお運びください。

協同企画展『Power of Art from SETOUCHI』展示作品紹介 その3

前回に引き続き、この記事でも第2展示室の展示作品をご紹介していきます✨


まずは絵画作品から。


●金孝姸『水の足跡 ―○□△―』(日本画)
立体物でかたどった紙を傾けて墨を一滴ずつ流すことで線を描き、最後に紙を平面に戻すという、画面に作為と無作為が共存する作品です。
金氏の日本画作品は、他3点展示中です。


 
 
●岡村勇佑『地下水脈BからCへ』(銅版画)
     『地下水脈CからDへ』(銅版画)
岡村氏が制作している地下水脈シリーズのうちの2点です。同シリーズに特徴的な菱形を中心に、ほぼ同じ構図であるからこそ、色彩の違いが際立ちます。

 


 
●長原勲『行く川の流れは絶えずして』(油画)
青い背景のなか、うねる白い筋が川のように流れています。
日本画を学び、ドイツ留学を機に洋画家へと転身した長原氏の作品は、油画2点、日本画2点を展示中です。




 
●原田よもぎ『五月飴月』(日本画)
「五月雨月」の「雨」を「飴」に変え、たくさんの様々な飴をちりばめた画面になっています。「字のない物語を描く」という原田氏の作品には、鹿や金魚など、かわいらしい生き物たちも登場しています。




そして、第1展示室と同じく、第2展示室にも立体作品が展示されています。


●磯谷晴弘『泉』シリーズ(ガラス工芸)
液体、気体、個体と変幻自在に姿を変える水の瞬間を切り取った作品と、水をたたえた深く美しい泉のような静謐な作品たちです。命の根源である水の大切さや神秘性が感じられます。






●張慶南『痕跡191』(ガラス工芸)
「今は以前の形が見えなくても、存在していたことは変わらない事実」
窯入れ前後のガラスの表情の違いを、自分の過去と現在の違いに重ねたタイトル。張氏の作品は、他3点展示中です。




●梶間智絵『「    」』(陶芸)
ふかふかのクッションに見えますが、硬い陶器でできています。今回出品された2個組のうち一つには、それを思い出させるように、艶やかに絵付けされた面も覗いています。




第2展示室はここまでで、次回は、企画展第2会場である玉川文化交流館の展示作品をご紹介していきます✨お楽しみに😍

2022年12月17日土曜日

協同企画展『Power of Art from SETOUCHI』展示作品紹介 その2

こんにちは☺
今回から2回に分けて、第2展示室の作品をご紹介していきます✨

まずは内壁側から。


●田中孝『雨』(シルクスクリーン)
暗い画面の中、傘を差した後ろ姿が、ぽつりと佇んでいます。
田中氏の作品は、他に2点展示中です。

 


 
●津貫志帆『7日分の酸素。6日分の水。5日分の処方箋。』(銅版画)
「それは化け物になる予感である。」(倉敷芸術科学大学芸術学部HP 卒業制作より)
挿絵のような物語を感じる津貫氏の作品は、他3点展示中です。

 


 
●正井尊『天目』(リトグラフ)
水彩画のような淡い色彩が印象的な作品です。中央に器が描かれ、画面全体が、四角を用いた幾何学的な模様と繊細な色彩でおおわれています。

 


 
●内藤克人『内と外 04-02』(リトグラフ)
開いた傘によって分けられた、内側と外側の世界を描き表しているような作品です。『内と外』を描いた内藤氏の作品は、他1点展示中です。




●藤井康夫『海亀』(日本画)
幼い子供が、水槽越しに泳ぐ海亀を見上げている構図の作品です。じっと見ていると、美術館ではなく水族館にいるような気持ちになってきます。
 




内壁側の展示作品はここまで。
ここからは、外壁側になります↓↓↓


 
●潮嘉子『夢幻』(日本画)
牡丹とクジャクが配された大画面は、とても華やか。
倉敷芸術科学大学芸術学部卒業・修了制作展2020にて、加計勉大賞と岡山大学薬学部長賞を受賞した作品です。


 
 
●飯間智美『悠』(日本画)
淡くやわらかな色彩で、悠久の時を感じる大地が描かれています。
2枚のパネルから成る、横幅4m近くの大型作品です。





第2展示室は展示作家数が多いので、続きは次回→

協同企画展『Power of Art from SETOUCHI』展示作品紹介 その1

11/612/21開催の協同企画展『Power of Art from SETOUCHI』より、展示作品の紹介をしていきたいと思います
お気に入りの作品を見つけて、ぜひ実物を楽しみにご来館ください✨


まずはこちら。

西田幸司『協同企画展 Power of Art from SETOUCHI チラシ・ポスター・看板』(本展フライヤーデザイン)
倉敷・今治間の瀬戸内海をかたどった内外に、本展の出品作品が配置され、アートの力で繋がる世界観が表現されています。




そして館内は、第1展示室の作品からご紹介します。


●児島慎太郎『サントリーニ』(油画)
独特の色彩とタッチで描かれた、穏やかな印象の風景画です。他2点の静物画とともに、本展の最初を彩っています。




●松居邦明『block』(ミクストメディア)
正面から見るとカクカクした不思議な画面に見えますが、左右それぞれ、斜めから見ると……?
同じ技法を使用した松居氏の作品は、他にも6点展示中です。

正面

左から

右から


●吉岡英樹『セルライト』(鉛筆画)
5枚の紙面を間の空白がつなぎ、一つの作品になっています。
「閉じ込めておいた物を解き放つ時が来た。内側に溜まった世界を…新たなる世界へ。」(倉敷芸術科学大学芸術学部HP 卒業制作より)




林万奈美『Return』(ミクストメディア)
作者が着目した「死して骨に変わり、自然の一部に溶け込んで生まれ変わる」という死生観が、刷った紙をキャンバスに貼り付けるコラージュ技法で表現されています。




●宇都宮知憲『あか が消え、あお が消え、透明な灰色が残るばかり』(油画)
本展でもっとも大きなこの作品は、4枚のパネルをつなげて画面を形成しています。宇都宮氏の作品は、他2点展示中です。

第一展示室 内壁



●田丸稔『叙事詩の男と馬』(彫刻)
男性の人体と馬の頭部を組み合わせ構成された作品で、彫刻ならではの量塊感と存在感があります。田丸氏の作品は、同タイトルがもう1点のほか、女性像3点も展示中です。




今回は以上。
次は、第二展示室の展示作品をご紹介します😍

2022年12月9日金曜日

✨開館記念日✨プロジェクションマッピング✨ナイトミュージアム✨

12月3日は、玉川近代美術館の開館記念日✨/


これを記念して、今年も無料開館が行われました!

しかも今年は、開催中の協同企画展「Power of Art from SETOUCHI」のイベントとして、プロジェクションマッピング投影イベントも開催🌙✨

それに合わせて19:30までのナイトミュージアムも行うと、夕方から、たくさんのお客様にご来館いただけました😍


こどもから大人まで


年に一度の機会を堪能!



寒い中ではありましたが、館外でのプロジェクションマッピングも大人気✨
冬の夜を彩る光と音の芸術を、たくさんの方が楽しんでくださいました☺


映し出される作品に、みんな釘付け


鮮やかで可愛らしい模様や…


動物を模した影絵のモチーフも



「昔からあるのは知ってるけど、わざわざ行くタイミングがない…」
「地元にあっても、美術館ってなんだか敷居が高い…」

そんな地元の方々も気軽にご来館いただける、良い機会になったのではないでしょうか✨
イベントを楽しみに来られたこどもたちにも、少しでも「美術館っておもしろいな」と思っていただけていたら幸いです☺


ご来館、誠にありがとうございました!




倉敷芸術科学大学・今治市大三島美術館・今治市玉川近代美術館 協同企画展「Power of Art from SETOUCHI」

 会期:令和4年11月6日(日)~令和4年12月21日(水)
 会場:玉川近代美術館1F(第一・第二展示室)、玉川文化交流館

※今展は大三島美術館でも展示を行っております。ぜひ両館に足をお運びください。